木固めエースの塗装方法

木固めエースが木材に浸透する度合いは、樹種や木の部位、室温によって異なります。一般的に針葉樹はしみ込みやすく、広葉樹はしみ込みにくい傾向があります。また木口面にはすばやく浸透し、柾目面や板目面にはゆっくり浸透します。硬化には15〜20時間ほどかかり、室温や湿度によって前後します。夏場は硬化が早く進み、冬場は遅くなります。様子を見ながら塗装回数や乾燥時間を調整してください。

準備する道具

  1. タフグローブ

    1. 耐溶剤手袋
    別売の「タフグローブ」のほか、ホームセンターで販売されている耐溶剤手袋の使用をおすすめします。市販の使い捨てポリエチレン手袋も使えます。家事用のゴム手袋は溶剤に弱く、溶けてしまうため使用しないでください。

  2. 容器

    2. 容器
    木固めエースを小分けするのに使います。しばらく保存する場合はフタを密封できる金属やポリエチレン容器がおすすめです。小出しして使い切る場合は紙コップやポリプロピレンの使い捨てコップでも代用できます。

  3. ウエス

    3. ウエス
    木固めエースを塗布したり、拭き取り作業、使用済みの溶液を廃棄するときにも使います。キムワイプなど紙製ウエスがおすすめです。

  4. サンドペーパー

    4. サンドペーパー(紙ヤスリ)
    素地研磨用に50〜100番、150〜180番の2種のサンドペーパー、水研ぎ用に1000番の耐水サンドペーパーをご用意ください。

  5. 刷毛または布タンポ

    5. 刷毛または布タンポ
    木固め作業後、ポリウレタン樹脂塗料(仕上クリヤー)を塗布するときに使用します。

  6. 小割り材

    6. 小割り材
    木固めエースを塗り重ねた後、製品を乾燥させる台座として使用します。食器の場合は割り箸で代用できます。

  7. 防毒マスク

    7. 防毒マスク
    換気が十分にできない場所で塗装する場合やシンナー臭が苦手な方は、市販の防毒マスク(有機ガスを吸着するフィルターつきマスク)の着用をおすすめします。当会のオンラインショップでも販売しています。

(1)素地研磨

  1. サンドペーパー

    この工程の主な目的は、かんな目やさか目などの凹凸を取り去って、完全に平ら面を作り出すこと、材面をひと皮むいて汚れのないきれいな状態にすることです。これを素地研磨といいます。木工の世界では昔から「素地研磨にまさる仕上げなし」といわれ、とくに透明塗装では素地の状態が仕上がりを大きく左右します。素地がなめらかで清潔に保たれていれば、塗装がスムーズに進み、十分な塗膜を形成することができます。

  2. 素地研磨

    素地研磨は「下研磨」と「仕上げ研磨」の2段階に分けて行なうのが効果的です。下研磨には50〜100番のサンドペーパー、仕上げ研磨には150〜180番のサンドペーパーを使います。手作業で素地研摩を行なうときは、サンドペーパーを貼り付けた木のブロックや硬質ゴムを使うとよいでしょう。

    研磨の方向は必ず木目と平行に行ってください。木目と平行に研磨しないで塗装した場合、ムラが生じることがあります。研磨後は圧縮空気や毛の固いブラシを使って、導管の中に入り込んだ研磨粉を取り除きます。

(2)木固め

  1. 木固めエースの塗布

    1.木固めエースを必要量だけ容器に移し、すぐにキャップを締めてください。
    食器の場合はステンレス製のボウル、カトラリーの場合はポリエチレンのビニール袋に木固めエースを入れ、ドブ漬けにして含浸させます。家具の場合はウエスまたは刷毛で木固めエースをたっぷり含ませてから塗布してください。
    家具の場合は塗布をくり返すと効果が増します。塗り重ねる回数は樹種や部位によって異なります。スギやヒノキ、ナラなどの導管の太い環孔材は1~3回、サクラやチェリー、メイプルなどの導管の細い散孔材は1~2回が目安です。ドブ漬けの場合、含浸作業は1回で十分です。
    木材の表面から微細な気泡が出なくなったら、含浸が完了した合図です。木固めエースの粘度が強く、塗布しづらい場合は専用シンナーで10%希釈してください。

  2. 2.木固めエースが木材にしみ込まなくなったら、専用シンナーを軽く含ませたウエスを使い、表面に残っている余分な木固め剤を拭き取ります。

  3. 拭き取り

    3.木固めエースを塗布してから2〜3時間の間は、木材の表面から余分な溶液や気泡が浮き出してきます。そのため定期的に(30分間隔が目安)、専用シンナーを軽く含ませたウエスを使って拭き取ってください。

    4.直射日光が当たらない場所で、5~6時間ほど乾燥させます(室温20~25度の場合)。

  4. 研磨

    5.表面が乾いたら、1000番のサンドペーパーで空研ぎして、表面の微細な気泡やゴミを取り除きます。

※木固め作業に適した室温は20〜25度です。10度以下になると、硬化速度が遅くなるので、冬場は作業場を暖房してから塗装することをおすすめします。逆に室温が30度をこえると反応が急速に進み、気泡(吹き返し)が発生することがあります。夏場は朝晩の涼しい時間帯に塗装するとよいでしょう。

(3)仕上げ

汁椀やカトラリーなど耐水性が求められる器物は、木固め加工後に別売の仕上クリヤー(1液型ポリウレタン樹脂塗料)を塗布すると、耐久性がさらに向上します。

  1. 仕上げクリヤーの塗布

    1.仕上クリヤーを必要な分だけ容器に移し、すぐにキャップを締めてください。

    2.刷毛または布タンポで均一に塗料を塗り伸ばします。厚塗りするとムラになりやすいので注意が必要です。液剤の粘性が強く、塗りにくい場合は専用シンナーで10%ほど希釈すると、スムーズに塗ることができます。

  2. 水研ぎ

    3.常温で15時間ほど放置した後、耐水サンドペーパー(1000番)で軽く水研ぎすると光沢が生まれます。

※刷毛塗りで広い面積を塗る場合は、ムラが出やすいので、専用シンナーで希釈して2度塗りするなどの工夫をしてください。

※希釈は必ず専用シンナーを使ってください。市販のシンナーで希釈すると、凝固や白濁が発生したり、塗膜がいつまでたっても乾かなくなったりするなど、塗装不良を引き起こすことがあります。

比較
各工程の段階写真。左から木地(素地)の状態→素地研磨後→木固め加工後→仕上げクリヤー塗装後

取扱上の注意

・塗装中は換気を十分に行ってください。硬化反応の過程で微量の有害ガス(VOC)を発生します。換気扇のない部屋で塗装する場合は、窓を少し開け、扇風機を外に向けて回し、その手前で作業を行うようにしてください。当会で販売している防毒マスクを装着するのも有効です。

・本剤は可燃性です。幼児の手が届かない冷暗所で保管し、火気から遠ざけるようにしてください。

・溶液が肌に触れたときは、すぐにシンナーで拭き取り、石けんで洗ってください。万一、目に入った場合は流水でしばらくの間、洗眼し、ただちに眼科医の診断を受けてください。

・木固めエースは湿気に敏感な液剤です。キャップを強く締めても容器内に残った湿気と反応し、徐々に硬化します。フタをせずに長時間放置したり、湿度の高い場所で保管すると製品寿命が縮まります。開封後は半年以内に使い切るようにしてください。

・容器に小分けした木固め剤が余ってしまった場合は、食材用のポリエチレンラップなど密封して2日以内に使い切ってください。一度取り出した液剤を缶の中に戻さないようにしてください。液剤を処分する場合は古新聞紙や布切れにしみ込ませ、乾燥させてから可燃ゴミとして処分してください。